個人携帯の業務利用はコンプライアンス違反に該当する!|3つの課題とリスク、トラブル回避の方法を解説

2025.05.28

「コストを削減したい」という理由から、従業員の個人携帯を業務に利用させたい、あるいはすでに利用させている企業も多いのではないでしょうか。

一方で「情報漏洩のリスクが心配だ」「社員から不満の声が上がっている」といった悩みを抱えていませんか?

個人携帯の業務利用は、利便性の裏に、コンプライアンス違反やセキュリティリスクといった大きな問題が潜んでいます

リスクを正しく理解し適切な対策を講じることで、企業と従業員双方を守りトラブルを未然に防ぐことが可能です。

この記事では、個人携帯の業務利用がなぜコンプライアンス違反になりうるのか、具体的にどのような法的課題やリスクが存在するのかを詳しく解説します。

同時にリスクを回避し、安全かつ円滑に業務を行うためのBYOD規定の重要性や、法人携帯導入のメリットもご紹介するのでぜひ参考にしてくださいね。

個人携帯の業務利用に関する疑問や不安を解消し、最適な運用体制を構築するための一歩を踏み出すことができるでしょう。

個人携帯の業務利用はコンプライアンス違反になりうる可能性がある

日本では、個人携帯間の通信は「通信の秘密」として、プライバシーが保護されています。

そのため、業務内で個人携帯を強制的に利用させることは、プライバシーの侵害に該当する可能性が高いです。

個人携帯内に業務に関する情報や連絡が混ざることで、プライバシーに対する不当な介入と判断され、法律違反となってしまいます。

このように、企業が従業員に個人携帯の業務利用を強制することは、コンプライアンス違反の可能性が高まるため慎重な対応が不可欠です。

個人携帯を業務利用することで生じる法的なコンプライアンス課題2つ

仕事での個人携帯利用には、法的な観点から、次のようなコンプライアンス課題が存在します。

  1. 個人情報保護法のリスク
  2. 労働基準法違反

次項より、順番に説明していきます。

①個人情報保護法のリスク

個人携帯の業務使用は、個人情報保護法における「安全管理措置義務」や「従業者の監督義務」に違反するリスクを高めます

企業には従業者に対して適切な監督が義務付けられており、個人データの漏洩や滅失を防ぐために安全管理措置が必要です。

しかし、個人携帯を業務上使っていると、私的利用との区別が曖昧になるため、監督が不十分になりかねません。

企業の義務違反と認識されると、個人情報保護委員会からの指導や罰則の対象となる可能性があります。

②労働基準法違反

個人携帯の業務利用は、労働時間とプライベートの境界を曖昧にし、サービス残業を常態化させることから、労働基準法に違反するリスクを伴います

終業後に個人携帯へ業務連絡が届くと、業務時間外に対応をすることになるため、対応時間を労働時間とみなした勤怠管理が必要です。

しかし、仮に適切な賃金、特に時間外労働の割増賃金が支払われなければ、残業代未払いとして労働基準法違反となる恐れがあります。

さらに、業務に必要な通信手段を従業員の私物に頼ることは、実質的に経費負担を強いていると考えられ、労働条件の観点から問題視される可能性も高いです。

個人携帯の業務利用が常態化することで、企業が意図せずとも労働基準法に違反するリスクが高まるといえるでしょう。

業務で個人携帯を利用することで生じるリスク4つ

個人携帯を業務利用すると、セキュリティ対策の困難さや管理の不備から様々なリスクが生じます。

ここでは4つのリスクをあげ、具体的に解説します。

  1. 企業の情報漏洩リスク
  2. 証拠・ログの管理不備
  3. 通信費・端末代などの費用負担のトラブル
  4. データの消去や回収によるリスク

①企業の情報漏洩リスク

個人携帯を業務に利用する場合は、法人携帯のように統一したセキュリティ設定を適用することが難しく、情報漏洩のリスクが高まります

個人携帯は、遠隔ロックやデータ消去が徹底できず、ウイルス感染やマルウェア、フィッシング詐欺のリスクが軽減されません。

情報が漏洩すれば、企業は社会的信用の失墜や損害賠償請求、ブランドイメージの低下といった深刻な影響を受ける可能性があります。

②証拠・ログの管理不備

個人携帯を利用して業務を行うことで、トラブル発生後の事後調査において、事実確認や原因究明を迅速かつ正確に行うことが難しくなります。

個人携帯を業務に利用する場合、顧客との通話履歴やメッセージ、ファイル送受信といった業務上の重要な記録を会社側が管理できず、状況証拠を確保することができません。

その結果、適切な対応が遅れたり、場合によっては法的責任を問われた際に不利な立場に立たされたりするリスクが考えられます。

③通信費・端末代などの費用負担のトラブルリスク

個人携帯を業務で使用させると、社員側で業務利用分の通信費を一部、または全額自己負担することとなり、不満を抱く社員とトラブルになるリスクもあります。

業務で利用した通話料金や通信費・業務アプリの課金分を個人で管理して経費申請する必要があるので、業務効率の観点でも大きなトラブルの原因となりかねません。

④データの消去や回収によるリスク

従業員が個人携帯を業務に利用している場合、退職時や機種変更時に端末に保存されている業務関連データを適切に消去・回収できないと、情報漏洩リスクに繋がります

しかし、個人携帯にはプライベートな情報と業務情報が混在しており、企業側が業務データのみを選択して完全に消去したり、回収したりすることは技術的にも法的にも困難です。

万が一、端末のデータ消去が不十分なまま第三者の手に渡ったり、退職した従業員が意図せず顧客情報や機密情報を保持し続けたりした場合、会社の管理体制の不備も問われる可能性があります。

個人携帯を業務利用する場合はBYOD規定が重要

BYODとは、社員が個人携帯を業務利用することを指します。

個人携帯の利用は、使い慣れた端末で効率的に仕事を進めることができる点がメリットですが、これまで説明してきたように様々なリスク管理が必要です。

そこで、BYOD規定を策定することで、ルールとセキュリティを保ち、トラブルやリスクを考慮して業務に取り組むことができるようになります。

BYOD規定とは?

BYOD規定とは、従業員が個人所有のスマートフォンやタブレット、ノートパソコンなどを業務で使用する際の社内規程のことです。

会社が定めた、業務内で利用する端末やデバイスなどすべてに適用します。

BYOD規定を定めたほうが良い理由

BYOD規定を定めることで、通信費用に掛かるコストやセキュリティリスクを抑えて、従業員の業務効率化・生産性のアップに繋げることが可能です。

規定がないまま個人携帯を業務に利用すると、情報漏洩のリスクが高まり、企業の機密情報や顧客情報が危険に晒される可能性があります。

また、業務とプライベートの境界が曖昧になることで労働時間の管理が難しくなったり、通信費の負担をめぐって従業員との間でのトラブルが生じる可能性もあるでしょう。

会社の安全を守るためにも、BOYD規定を定めておくことをお勧めします。

BYOD規定に含めるべき内容

BYOD規定を効果的に運用するためには次のような内容を盛り込みましょう。

  • 利用可能な端末: OSのバージョンや機種端末
  • セキュリティ対策: パスコードや生体認証などのセキュリティ管理方法
  • データ管理:保護するべき情報の定義
  • 費用負担:会社が負担する費用の定義
  • ルール違反時の対応:規定に背いた場合の会社の対応

上記に加えて、私的利用と業務利用の切り分けやモニタリングの範囲と方法、従業員への教育・啓発に関する事項なども含めることが望ましいです。

このように、個人携帯利用時の情報管理方法を具体的に定めて、企業と従業員の双方が安心して個人端末を業務に活用できる環境を整備しましょう。

リスクやコンプライアンス違反を防ぐには、法人携帯の利用も検討しましょう

個人携帯の業務利用には、情報漏洩やコンプライアンス違反といった様々なリスクが伴います。

BYOD規定を整備することも重要ですが、リスクをより根本的に回避して企業と従業員双方の安心・安全を確保するためには、法人携帯の導入も考えてみましょう。

法人携帯を導入する最大のメリットは、セキュリティの強化です。

MDM(モバイルデバイス管理)ツールを利用すれば、端末の一元管理や遠隔でのロック・データ消去が可能になり、紛失や盗難時における情報漏洩リスクを大幅に低減できます。

また、業務に不要なアプリのインストール制限や、セキュリティポリシーの統一的な適用も容易になるため、業務利用と私的利用が明確に分離することが可能です。

通信記録も会社側で把握しやすくなるため、コンプライアンス遵守の観点からも管理が容易になります。

万が一、情報漏洩を含むコンプライアンス違反が発生した場合の企業の損害は計り知れません。

法人携帯の導入は初期費用や月額費用がかかりますが、長期的な視点で見ればリスク回避のための重要な投資と考えられます。

法人携帯の契約は法人携帯ファーストがおすすめ

法人携帯ファーストのロゴ

「法人携帯ファースト」は、国内の大手4社(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)のプランを取り扱っている法人携帯の代理店です。

特定のキャリアに偏ることなく、利用状況やニーズに合わせて最適なプランを比較検討してもらえます。

法人携帯専門の代理店ならではの特別な料金プランやキャンペーンが用意されており、通信費のコスト削減が可能です。

また、専門のスタッフが会社に訪問して説明やサポートを行ってくれるため、店舗に出向く必要がありません。

データ移行や初期設定、プランの見直しや故障時の対応など運用面でのサポートも手厚いため、初めて法人携帯を導入する企業でも安心です。

なお、1台からの少人数契約にも対応しているため、個人事業主や小規模企業でも利用できますよ。

まとめ

個人携帯の業務利用は、個人情報保護法や労働基準法などの法律やコンプライアンスの違反、情報漏洩、ログ管理の不備、費用負担トラブルといった多様なリスクを伴います。

特に従業員へ個人携帯の業務利用を”強制”した場合は法的問題に発展しやすく、慎重な対応が不可欠です。

対策としてはBYOD規定の整備が挙げられますが、情報漏洩リスクやセキュリティ強化、公私の分離、コスト管理の適正化を図るには、法人携帯の導入がより効果的といえるでしょう。

法人携帯の導入を考えている場合は、ぜひ法人携帯ファーストへご相談ください。

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