社用携帯が‟ない会社”はありえない!?社用携帯の必要性や個人のスマホを使用するリスクを解説
2025.05.29
社用携帯を支給すべきか、私用スマホを業務に使ってもらうべきか悩まれている担当者様も多いのではないでしょうか。
結論から言いますと、社用携帯は必須です。
個人の携帯は、機種ごとに設定が異なることからセキュリティ対策が難しく、情報漏洩のリスクが潜んでいます。
さらに、端末ごとに個別で管理する必要があるため、都度アップデートの確認をしたり設定方法を確認したりと、必要な作業が多く業務効率の低下に陥りやすいです。
その点、社用携帯であればセキュリティ対策を行いながら、端末の一元管理を行うことができます。
また、社用携帯を導入することで社員のプライバシーを守りながら、業務と私生活の明確な線引きが可能になるでしょう。
この記事では、社用携帯を導入するメリット・デメリットを踏まえて詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
個人携帯を社用携帯として利用したくない社員が急増している5つの理由と背景
近年、リモートワークの定着などにより、業務内で携帯電話を利用するシーンが増えました。
総務省の「デジタル化による生活・働き方への 影響に関する調査研究 成果報告書」によると、社用携帯電話(スマートフォン)を導入している企業は56.4%に達しています。
こうしたデータからも、社用携帯の導入が一般化しつつあることがわかります。
しかし、逆を言えば、約半数の企業は社用携帯を導入しておらず、個人携帯を業務利用している企業は少なくありません。
ですが、個人携帯の業務利用は、以下のような理由から社員が不満を感じる原因になってしまいます。
ここでは、個人携帯を業務用として使うことに抵抗を感じる社員が増えている理由について、以下5つの観点から詳しく解説していきます。
①リモートワークが増え、プライベートとの境界が曖昧になりやすい
リモートワークの普及により、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方が広がっています。
その影響で、社員同士の連絡や業務対応において、個人の携帯電話を使用する場面が増えているのが現状です。
しかし、個人の携帯電話を業務に利用すると、プライベートとの境界が曖昧になり、社員がストレスや不満を感じる原因となることも少なくありません。
仕事と私生活をしっかりと分けるためにも、業務連絡の対応時間を設けるなど、具体的なルールを定めることが重要です。
②社員のプライバシーが保護されない
個人の携帯電話を業務に使用する場合、クライアントに私用番号を知られてしまう可能性があります。
さらに、業務時間外にも連絡が入ることがあり、社員にとっては大きなストレスとなりかねません。
こうした課題は、社用携帯を導入することで効果的に解消できます。
業務専用の連絡手段を確保することで、プライベートとのメリハリを保ちながら、安心して仕事に取り組んでもらうことが可能です。
【関連記事】
個人携帯の業務利用はコンプライアンス違反に該当する!|3つの課題とリスク、トラブル回避の方法を解説
③機密情報の扱いが不安
近年、スマートフォンの性能が大幅に向上し、大容量のデータを簡単にやり取り・保存できるようになっています。
しかしその一方で、業務データの閲覧や保存、転送が個人の携帯でも容易に行えるようになり、情報漏えいのリスクが高まっているのも事実です。
また、業務用データとプライベートのデータが混在し、誤って情報を外部に漏らしてしまうケースも十分に考えられます。
その点、社用携帯であれば、データの混在を防止できるうえ、企業秘密がヒューマンエラーにより流出してしまう心配もありません。
機密情報を適切に管理するためにも、社用携帯の需要が高まっているのです。
④通信費や通話料を自分で負担したくない
現在、携帯電話の料金プランは多様化・複雑化しており、利用者によって契約内容が大きく異なります。
従量課金制のプランを契約した個人携帯を業務に利用している場合、通話をした分だけ料金が発生してしまうため、社員にとっては大きな負担となりかねません。
仮に業務上の通話であっても、それを正確に証明することは難しく、最終的には社員自身が料金を負担せざるを得ないケースも見受けられます。
こうした費用負担をめぐり、会社とのトラブルに発展する可能性も否定できません。
⑤経理処理が面倒
携帯電話の業務利用分については、経費として計上することが可能です。
そのためには、料金の内訳を明確にし、業務利用と私的利用の割合を按分する必要があります。
しかし、個人の携帯電話は人によって利用状況や使い方が異なるので「通信費や通話料を自分で負担したくない」でも解説したとおり、通話やデータ通信が業務によるものか私的なものかを明確に区別するのは困難です。
このため、業務で発生した通信費を経費として処理することが難しくなり、結果的に個人が負担するケースも少なくありません。
さらに、経理担当者にとっても、社員ごとに異なる契約内容を確認しながら仕訳処理を行う必要があり、作業負担が大きくなってしまいます。
【関連記事】
法人携帯は経費計上できる!スマホ代や電話料金など勘定科目別の仕訳方法も解説
個人携帯を社用携帯として強制的に利用させるのは法律違反となる
会社が社員に対して、個人携帯の業務利用を一方的に求めることは法律違反になります。
その理由としては以下の法律に抵触する恐れがあるためです。
これら2つの法律について詳しく解説していきます。
個人情報保護法
個人携帯の強制業務利用に関連する法律として挙げられるのが「個人情報保護法」です。
氏名や電話番号など、特定の個人を識別できる情報は「個人情報」に該当し、適切な管理が求められます。
しかし、 個人の携帯電話を業務で使用している場合、社員の不注意によって端末を紛失した際に、電話帳に登録された取引先や顧客の情報が漏洩するリスクがあります。
このような情報漏えいが発生した場合、企業側は個人情報保護法第20条で定められている「安全管理措置義務」や、第21条の「従業者の監督義務」を果たしていないと判断される可能性があります。
もし企業がこれらの義務を怠った場合、以下のようなペナルティや罰則が科せられる可能性があるので注意が必要です。
- 行政処分
指導・勧告:個人情報保護委員会から改善を求められる
公表:違反が深刻な場合、企業名が公表される
- 罰金
法律違反が重大な場合、最大1,000万円の罰金が科される。
事業者が故意に個人情報を不正に扱った場合は、さらに厳しい処罰を課される。
- 刑事罰
懲役刑:悪質な場合には最高5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科される
これらのペナルティや罰則は、企業の信用や経営に重大な影響を及ぼすため、個人情報の取り扱いには特に注意が必要です。
不正競争防止法
2つ目に挙げられる法律は「不正競争防止法」です。
顧客リストは、会社にとって重要な営業秘密であり、不正競争防止法によって保護されています。
しかし、個人の携帯電話で業務を行うと顧客リストが端末に保存され、転職時などに外部へ持ち出されてしまうリスクがあります。
特に、営業担当者が競合他社へ移る場合、顧客リストがそのまま流出する恐れがあり、会社にとって大きな損失になりかねません。
また、社員が自分の携帯に取引先や顧客の電話番号・業務上のデータ等を自由に保存していた場合、不正競争法第2条第6項により「秘密として管理している情報」と見なされず、法的保護が受けられない可能性もあります。
以上の2つの法律からも分かるように、個人の携帯電話を業務で強制的に使用させることは、企業として避けるべき対応だと言えるでしょう。
また、社員側からも「プライバシーの侵害だ」と感じられることがあり、労使間のトラブルに発展する可能性も否定できません。
業務上で携帯電話の利用が必要な場合は、会社として方針を定めた上で、社用携帯を支給・利用してもらうことが、最も安全な方法です。
個人のスマホを仕事で利用させる3つのリスク
個人のスマートフォンを仕事で利用する際には様々なリスクがあります。
その中でも重大となるリスク3つを紹介していきます。
①セキュリティ対策が難しい
個人の携帯電話を業務に使用する場合、セキュリティ対策が不十分になりがちです。
具体的には、ウイルス対策ソフトが導入されていない、OSやアプリケーションの更新が適切に行われていないなどの状況が考えられます。
その点、法人向けの携帯電話であれば、ウイルス対策ソフトの導入やMDM(モバイルデバイス管理)を利用したOS・アプリケーションの一括更新など、様々なセキュリティ対策が可能です。
ウイルスなどの脅威から自社のデータを守るためにも、社用携帯を導入するべきと言えるでしょう。
②労務管理が難しくなる
個人の携帯電話を業務に使用する場合、就業時間とプライベートの境界が曖昧になりやすいです。
その結果、労働時間の正確な把握が困難となり、残業時間や休日出勤の管理が複雑化する可能性があります。
リスクを軽減するためには、社用携帯を導入し、勤怠管理ソフトの導入を検討することが重要です。
これにより、リアルタイムに出勤・退勤時間の把握が可能となります。
また、自動で就労時間の計算もしてくれるので、労務管理も簡単に行うことができます。
③機種によって性能にばらつきがでる
個人のスマホを業務に使用する場合、機種によって性能にばらつきが生じることがあります。
性能にばらつきがあると、セキュリティソフトや業務に関わるアプリケーションの配布を行う際、各機種ごとに個別でアナウンスをしなければならず対応が複雑化します。
その結果、管理者の負担が増大し、業務効率が低下してしまう可能性が高いです。
一方、法人向けの携帯電話を導入し、MDM(モバイルデバイス管理)や業務用アプリケーションの導入を検討することで、機種による性能のばらつきを最小限に抑えることが可能です。
これにより、業務の効率化やセキュリティの強化が期待できるでしょう。
社用携帯は必須!社用携帯を導入するメリット3つ
ここからは、社用携帯を利用することで得られる大きなメリットを3つご紹介していきます。
また「法人携帯の7つのメリットを解説!デメリットと契約に失敗しないためのポイントも紹介!」ではさらに詳しくメリットを紹介しているので、あわせてご確認ください。
①コスト削減につながる
法人契約では、複数回線を一括で契約することで、通信費の割引や特典を受けることが可能です。
社員数の多い企業や、営業等が活発で契約台数が多くなりやすい企業ほど割引額が大きくなるため、恩恵を感じやすいでしょう。
また、法人専用のプランも用意されており、業務の利用状況に合わせて最適なプランを選択できます。
通話し放題プランやデータ通信容量を複数回線で分け合うプランなど、多様なプランが用意されているため、無駄な通信費を削減することが可能です。
【関連記事】
法人携帯のコスト削減方法とおすすめキャリア4社!|コスト削減のポイントや注意点も解説
②社内の連絡がスムーズになり生産性が向上する
社用携帯を導入する事で、社内間の連絡をスムーズにする事が可能です。
例えば、業務用のチャットアプリを導入することで、リアルタイムにメッセージ・写真やデータを共有できます。
メールのように時間をかけて返信を待つ必要がないため、迅速な意思決定が可能です。
また、法人向けチャットアプリは、管理者によるアクセス制限やデータの暗号化などのセキュリティ機能も充実しており、企業の情報を安全に守ることができます。
加えて、社用携帯であれば通話料金を気にする必要がないため、気兼ねなくクライアントや別部署の社員へ連絡することが可能です。
通信費がネックとなり通話を躊躇っていた社員も、社用携帯を導入することで効率的に業務を進められるようになるでしょう。
③社員のプライバシーを保護できる
社用携帯を導入することで、業務の情報とプライベートの情報を明確に区分することができます。
よって、ログイン情報や顧客リストを個人携帯に保存することが無くなるため、情報漏洩のリスクを最大限抑えることが可能です。
また、個人携帯の番号がクライアントに流出する心配もないため、社員の働きやすさも同時に担保することができます。
さらに、社用携帯であればMDM(モバイルデバイス管理)を活用することが可能です。
MDMを通して遠隔で端末の設定やセキュリティ対策を行えるため、社員のプライバシーを守りながら、業務に必要なセキュリティを確保することができます。
社用携帯を導入するデメリット3つ
社用携帯の導入には多くのメリットがありますが、同時に注意すべきデメリットも存在します。
以下からは、導入時に考慮すべき3つの主なデメリットと対策を紹介するため、参考にしてみてくださいね。
①導入コストがかかる
社用携帯を導入する際には、ランニングコストだけではなく端末の購入費用や設定費用等、初期費用が発生する事があります。
特に複数台を一括導入する場合、初期費用が大きな負担となり、導入を検討しなおす企業も少なくありません。
見積もりを取る際にはランニングコストだけでは無く、初期費用の金額もしっかりと確認する事が重要です。
また、法人携帯専門の代理店であれば、初期費用0円等のお得なキャンペーンを実施していることもあるため、事前にチェックしてみることをおすすめします。
②私的利用の恐れがある
社用携帯を導入すると、従業員がプライベートで利用する可能性があります。
社用携帯の私的利用は通信費の増加や情報漏洩のリスクに繋がるため、導入前に利用ルールを明確にし、社内での周知徹底が重要です。
また、私的利用の対策方法として、MDM(モバイルデバイス管理)の導入も挙げられます。
アプリのダウンロード制限や遠隔ロック・データ消去などが可能なため、私的利用だけでなく、情報漏洩の防止にも繋げることが可能です。
【関連記事】
社用携帯の利用ルールに必要な項目5選!ルール策定のメリット・デメリットやポイントも解説
③2台持ちにストレスを感じる社員もいる
社用携帯の導入は業務と私用を分ける利点がある一方で、個人携帯との2台持ちが負担になることもあります。
荷物や管理の手間が増え、かえって業務効率が下がる恐れがあるため、全社員に支給するのではなく利用頻度の高い社員に絞るなど、導入範囲の見極めが重要です。
また、業務時間外は社用携帯の持ち出しを禁止するなど、携帯を2台持ちする場面を減らすのもおすすめの対策方法と言えます。
社用携帯を導入するなら「法人携帯ファースト」にお問い合わせください!

社用携帯の導入をご検討中の企業様は、ぜひ「法人携帯ファースト」にお任せください。
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導入レクチャーやセキュリティ対策まで、丁寧にご案内いたしますので、小さなご不明点でもお気軽にご相談ください。
まとめ
業務効率やセキュリティ対策を考えると、社用携帯の導入は企業にとって必要不可欠です。
社員のプライバシーやコスト面への配慮、法的リスクの軽減を考慮すると、個人携帯の業務利用は避けるべきと言えます。
セキュリティ面や働きやすさの面から見ても、社用携帯への切り替えを進めることが、企業にも社員にも最も望ましい対応といえるでしょう。
さらに詳しい情報やご相談は「法人携帯ファースト」までお気軽にお問い合わせください。
導入から運用、セキュリティまで丁寧にサポートいたします。