【完全版】MDM(モバイルデバイス管理)とは?導入による効果やメリット、注意点を分かりやすく解説!
2025.09.29
企業が成長を続ける現代において、モバイルデバイスの業務利用は不可欠です。
しかし、その利便性の裏側には、情報漏洩や不正アクセスといったセキュリティリスクが潜んでいます。
これらのリスクを管理し、安全なモバイルワーク環境を実現するためには、MDM(モバイルデバイス管理)が不可欠です。
本記事では、MDMの機能や選び方、導入の流れについて詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、貴社のモバイル戦略にお役立てください。
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目次
MDM(モバイルデバイス管理)とは?
MDM(Mobile Device Management)とは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を一元的に管理・保護する方法です。
企業が従業員に貸与する社用携帯だけでなく、個人所有の端末(BYOD)も管理対象となります。
MDMを導入することで、セキュリティ対策の強化、運用コストの削減、業務効率の向上などを実現することが可能です。
近年、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末は、ビジネスシーンにおいて不可欠なツールとなっています。
しかし、その一方で、情報漏洩や不正アクセスといったセキュリティリスクも深刻化しており、トラブルもつきません。
これらのリスクを管理し、安全なモバイル利用を実現するために、MDMが注目されています。
MDMの仕組み
MDMは、管理者が専用の管理ツールを通じて、各端末の利用状況を遠隔から監視・制御できます。
たとえば、以下のような管理が可能です。
- 端末のロックや初期化
- アプリのインストール制限
- セキュリティアップデートの適用
- GPSによる位置情報の確認
MDMでは、端末のロックやアプリ制御、セキュリティ更新、位置情報の確認など、必要な管理をリモートで柔軟に行うことが可能です。
これにより、情報漏えいや不正利用のリスクを最小限に抑えつつ、管理工数を削減し、モバイル端末の安全かつ効率的な運用が実現できます。
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MDMとMCMの違い
MDM(モバイルデバイス管理)は、セキュリティアップデートの管理、端末利用状況の可視化、位置情報の監視などを通じて、端末の私的利用や不正利用による情報漏洩を防ぐ仕組みです。
一方、MCM(モバイルコンテンツ管理)は、モバイル端末上の業務用データやコンテンツの管理に特化したシステムで、情報の閲覧制限や共有制御などを行います。
これにより、機密情報の漏えいや不適切なデータ共有を防止し、安全かつ適切な情報運用が可能になります。
MDMの主な機能
MDMには、以下のような機能があります。
上記の機能により、誰が・いつ・どのように端末を使用しているかを把握でき、業務に必要なアプリの配布や不要なアプリの制限を行うことが可能です。
さらに、OSのアップデート状況やウイルス対策の管理により、セキュリティ面も強化されます。
万が一の紛失・盗難時には遠隔ロックやワイプで情報漏えいを防止でき、GPSによる位置情報の取得で端末の所在も把握できます。
①法人携帯の利用状況を遠隔で確認する
MDMを活用すれば、管理者は法人携帯の利用状況を遠隔からリアルタイムで把握できます。
端末がいつ、どこで、誰に使われているかだけでなく、使用中のアプリや通信状況なども確認可能です。
これにより、不正利用や私的利用の防止につながり、セキュリティ対策の強化や業務効率の向上といった効果が期待できます。
②アプリの配布と管理
MDMを活用すれば、業務に必要なアプリを対象の端末へ一括で配布・インストールできるほか、不要なアプリや私的利用を制限することも可能です。
管理者がアプリの更新状況や使用状況を把握できるため、常に最新かつ安全な環境を保つことができ、セキュリティリスクの低減と業務効率の向上につながります。
③セキュリティ対策
MDMを導入することで、端末のセキュリティ対策を強化できます。
遠隔での端末ロックや初期化が可能なため、紛失や盗難時の情報漏洩リスクを最小限に抑えられます。
また、OSやアプリのセキュリティアップデートの適用状況を管理し、不正アクセスやウイルス感染から端末を守ることができ、安全なモバイル環境を維持することもできるでしょう。
MDMの導入により図れるセキュリティ効果
MDMは、紛失・盗難時の情報漏洩対策として非常に有効です。
リモートロックやデータ消去機能により、不正アクセスを防ぎ、機密情報を保護できます。
また、MDMは、不適切なアプリの利用制限やOSのバージョン管理など、セキュリティポリシーも徹底できるため、マルウェア感染のリスクを低減し、安全なモバイル環境を実現することが可能です。
なお、セキュリティリスクは紛失・盗難時だけでなく、日々の業務内にも潜んでいます。
各場面ごとにMDMを利用することでセキュリティ効果を高められる理由を、事項より詳しく解説していきます。
社内・現場
社内や現場での業務におけるモバイル端末は、情報漏洩のリスクと隣り合わせです。
企業の端末には多くの個人情報や企業の機密情報が保存されているため、万が一情報漏洩してしまった場合、企業の損害は図り知れません。
そこで、MDMを導入することで、従業員が利用するアプリやWebサイトを制限し、業務に関係のない利用を抑制できます。
また、万が一端末を紛失した場合でも、遠隔操作でロックやデータ消去が可能なため、情報漏洩のリスクを最小限に抑えることが可能です。
これにより、機密情報や業務データの安全性を確保し、セキュリティインシデント発生のリスクを大幅に低減できます。
テレワーク
テレワーク環境下では、従業員の端末利用やサイト閲覧等の監視ができないため、端末管理が行き届きにくく、セキュリティリスクが増大します。
MDMを導入することで、 位置情報に基づいてアクセス制限をかけたり、業務時間外の利用を制限したりすることが可能です。
私用端末からの情報漏洩を防ぎ、安全なテレワーク環境を実現できます。
さらに、MDMは、テレワークにおけるセキュリティポリシーの適用が可能です。
例えば、一定時間操作がない場合に自動で画面ロックをかけたり、不正なWi-Fiスポットへの接続を禁止したりすることで、情報漏洩のリスクを低減します。
MDMを導入する際の3つのメリット
MDM導入は、企業にとって様々なメリットをもたらします。
導入後のメリットを確認しておくことで、より業務効率を向上させることが可能です。
ここでは、MDM導入時に得られる3つのポイントを紹介します。
1つずつ確認して、導入時のために把握しておきましょう。
①社用携帯を一括で管理できる
MDMを導入することで、OSのバージョンやセキュリティパッチの適用状況、インストールされているアプリなどを一元的に把握できます。
これにより、セキュリティポリシーに違反している端末を特定し、迅速に対応することが可能です。
また、紛失・盗難時には、リモートでロックやデータ消去を実行できます。
情報漏洩のリスクを最小限に抑えることが可能です!
さらに、MDMは、各端末の利用状況を可視化し、不正アクセスの早期発見にも貢献できるため、セキュリティインシデントを未然に防ぎ、企業の信頼性を保護することが可能です。
②端末コストの最適化
MDMを活用することで、端末の利用状況を詳細に把握し、不要なアプリやサービスの利用を制限できます。
これにより、データ通信量やバッテリー消費を抑制できるため、通信コストや端末の維持費を削減することが可能です。
さらに、MDMは、端末全体を管理し、最適なタイミングで機種変更の判断ができるようになるため、無駄な買い替えを防ぎ、長期的なコスト削減が期待できるでしょう。
また、MDMの端末一元管理機能を活用することで、端末の紛失や盗難のリスクを低減し、保険料などの間接的なコスト削減にも繋がります。
③社員との信頼関係を維持
MDMの導入には、社員のプライバシーへの配慮が不可欠です。
過度な監視は社員の不信感を招き、業務効率の低下につながる可能性があります。
利用目的やデータ収集範囲を明確にし、透明性の高い運用を心がけることが重要です。
社員への丁寧な説明をおこなうことで、MDM導入に対する理解と協力を得られ、結果として信頼関係の維持に繋がります。
また、MDMの導入目的や、どのようなデータを収集するかを事前に明確にすることで、従業員の不安を軽減し、安心して社用端末を利用できる環境を構築することも可能です。
これにより、従業員満足度の向上にも繋がり、企業全体の生産性向上にも期待できるでしょう。
MDMを導入する際の3つの注意点
MDMは導入すれば終わりではありません。
導入後の運用が重要であり、注意点をおろそかにすると、期待した効果を得られないばかりか、従業員の不満を招く可能性もあります。
ここでは、MDM導入時に注意すべき3つのポイントを紹介します。
①MDMはすべての端末に適用されるわけではない
MDMは、基本的に企業が管理する端末にのみ適用されます。
一方、BYOD(私物端末の業務利用)の場合は、個人の私物端末となるため、会社管理の端末ではありません。
BOYDでMDMを活用するとプライバシーの損害であると感じる社員がいる可能性もあるため、適用範囲を慎重に検討しましょう。
例えば、私物端末の業務利用を許可する場合は、別途セキュリティポリシーを策定し、従業員に遵守を求めるなどの対策が必要です。
②社内のルールを定める
MDMの導入にあたっては、利用目的や管理範囲、プライバシーポリシーなどを明確に定めた社内ルールを策定することが不可欠です。
ルール策定にあたっては、従業員の意見を取り入れ、十分な協議を行うことが望ましいでしょう。
よって、ルールに対して納得感が生まれ、社員のルールを守る意識をより高めることができます。
策定したルールは、従業員に周知徹底し、同意を得た上で運用を開始することが重要です。
社内ルールの策定と周知は、MDM運用における透明性を高め、従業員の不安や不満を軽減します。
また、ルールに違反した場合の措置を明確にしておくことで、MDMの運用効果を最大化し、セキュリティリスクを低減することができます。
③管理者を定めておく
MDMの運用を円滑に進めるためには、専門知識を持った管理者を配置することが重要です。
MDMの運用には、MDMの設定、運用状況の監視、トラブルシューティングや従業員からの問い合わせ対応、MDMに関する教育担当者の配置が必要とされます。
管理者を定めることで、MDMの効果を最大限に引き出し、セキュリティレベルを維持することができるでしょう。
また、管理者は、MDMの専門知識を常にアップデートし、最新のセキュリティ脅威に対応する必要があります。
そのため、MDMベンダーとの連携を密にし、技術的なサポートや情報提供を受けるような体系づくりも欠かせません。
適切な管理者配置と継続的な教育により、MDMの効果を最大限に引き出すことができます。
MDMの導入手順
MDM導入は、以下のステップで進めるのがポイントです。
上記の順に進めることで、効果的な運用が可能になります。
順番に解説をしていきます。
①自社にあった必要要件の洗い出し
MDMを導入する際は、まず自社の業務内容や管理対象となる端末の種類、求めるセキュリティレベルなど、具体的な必要要件を明確にすることが重要です。
どの機能が必須か、どの程度の管理範囲が必要かを洗い出すことで、無駄なく最適なツールを選定できます。
また、利用者の使い勝手や導入後の運用体制も考慮し、現場の意見も取り入れることが成功のポイントと言えるでしょう。
②MDMツールの選定
自社の必要要件が明確になったら、それに合ったMDMツールを選定します。
各ツールには管理機能や対応端末、価格、サポート体制など特徴が異なるため、比較検討が欠かせません。
また、導入のしやすさや将来的な拡張性も重要なポイントです。
トライアルを活用して実際の操作感を確認し、自社に最適なツールを見極めることが成功につながります。
③社内通知・導入
MDMツールの選定が完了したら、次は社内への通知と導入作業に移ります。
導入目的や運用ルールを明確に伝え、社員の理解と協力を得ることが大切です。
説明会やマニュアルの配布を通じて不安や疑問を解消し、スムーズな移行を目指します。
また、導入時のトラブルを防ぐために、IT担当者がサポート体制を整えておくことも重要です。
➃モニタリング・改善
MDM導入後は、実際の運用状況を継続的にモニタリングし、問題点や改善点を洗い出すことが重要です。
端末の利用状況やセキュリティリスクを定期的にチェックし、必要に応じて運用ルールや設定の見直しを行います。
こうしたPDCAサイクルを回すことで、より安全で効率的なモバイル管理体制を維持できます。
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また、導入後も継続的なフォロー体制が整っており、トラブル時の迅速な対応や運用改善のアドバイスも受けられます。
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MDMを導入する場合によくある質問3つ
MDM導入にあたっては疑問や不安がつきものです。ここではよくある質問を3つピックアップしてわかりやすく解説します。
①iPhoneのMDMは何ができる?
iPhone向けMDMは、企業のモバイルセキュリティを強化するための重要なツールです。
リモートによるデバイス設定管理、アプリケーションの一括配布・制御、紛失時の遠隔ロックやワイプ、セキュリティポリシーの適用状況監視が可能です。
さらに、位置情報追跡やコンプライアンス違反の検知も行い、企業資産の保護と運用効率の最大化を支援します。
②ADEとは何ですか?
ADE(Apple Device Enrollment)は、Apple製品専用の自動デバイス登録プログラムです。
企業や教育機関が、大量のiPhoneやiPadを効率的に初期設定・管理できる仕組みで、MDMと連携してリモートでの設定適用や一括導入が可能です。
手動設定の手間を削減し、迅速かつ安全にデバイスを配布できるため、管理負担を大幅に軽減することができます。
③海外に端末を持ち出した場合も管理できますか?
MDMはインターネット接続さえあれば、端末が海外にあっても管理可能です。
たとえば、海外出張中の端末にもリモートで設定変更やロック、ワイプを行うことができます。
ただし、一部のMDMツールでは国・地域によって機能制限がある場合もあるため、事前に対応エリアや通信環境を確認しておくことが重要です。
まとめ
MDMは、企業におけるモバイル端末管理の効率化とセキュリティ強化に不可欠なソリューションです。
導入により、情報漏洩リスクの低減、管理業務の効率化、コスト削減など、多くのメリットが得られます。
本記事を参考に、MDM導入を検討し、セキュリティの高いモバイル環境を構築しましょう。
また、法人携帯の契約をご検討の際はお気軽に法人携帯ファーストへお問い合わせください。
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