MAMとは?機能やMDM・MCMとの違い、導入時の注意点までわかりやすく解説

2025.06.27

MAMとは、タブレットやスマートフォンなど業務で使用する端末のアプリ・データを一元管理できるシステムのことです。

多様な働き方が普及した昨今において、法人携帯を活用して業務を行うことも増えており、セキュリティ対策の必要性が高まっています。

MAMを導入すれば、情報漏洩やシャドーIT※の出現を防ぎ、セキュリティレベルを均一化できるのがメリットです。

※シャドーITとは、企業が許可・認識していないモバイル端末や外部サービスを社員が勝手に利用すること。

今回は、MAMの機能やMDM・MCMとの違い、導入時の注意点を詳しく解説します。

万全のセキュリティ対策を整備した上で法人携帯を導入したい方は、ぜひ参考にしてください。

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MAMとは?

MAMとは、タブレットやスマートフォンなど業務で使用する端末のアプリ・データを一元管理するシステムのことを指します。

「Mobile Application Management」という英語の頭文字をとった略語であり、日本語では「モバイルアプリケーション管理」を表す言葉です。

従業員が業務でモバイル端末を使用する場合、紛失・盗難による情報漏洩や不正利用、ウイルス感染などのリスクがあります。

その点、MAMを導入すれば、業務に必要なアプリのインストールや更新、不要なアプリの利用制限、セキュリティ対策が可能です。

何百台ものモバイル端末がある場合も、MAMで一元管理できるため、管理者の負担を減らせますよ。

多様な働き方が普及した昨今において、MAMは企業のセキュリティリスク管理に欠かせないシステムと言えます。

MAMの仕組み

MAMは「アプリケーションラッピング方式」と呼ばれる仕組みを採用しています。

アプリケーションラッピング方式とは?
OS上に作った仮想環境へ、業務用アプリを展開する仕組みのこと。

仮想環境のことを「セキュアコンテナ」と呼ぶことから「セキュアコンテナ方式」とも言われています。

従業員は、仮想環境内にあるアプリから社内システムにアクセスし、データの編集や閲覧などを行うことが可能です。

端末本体ではデータのやり取りができないため、セキュリティ上のリスクを低減できるのがメリットと言えます。

また、アプリの利用制限により業務に不要なデータの閲覧・編集も制限可能です。

製品によっては、端末にデータを残さないものや、データ利用の際に認証が必要となるものもあるため、企業のセキュリティ対策に役立つでしょう。

「BYOD」の普及によりMAMの導入が注目されている

BYOD(Bring Your Own Device)とは、従業員がプライベートで使用しているタブレットやスマートフォンなどの端末を業務でも使用することを指します。

BYODが普及した背景は、以下の通りです。

  • モバイル端末の高性能化
  • クラウドサービスの増加
  • テレワークをはじめとした多様な働き方への対応

上記のような理由から、BYODが普及したと考えられます。

しかし、BYODで個人のタブレットやスマホから企業秘密へアクセスしたり、顧客情報をダウンロードしたりする場合、さまざまなセキュリティリスクがあります。

そんな中、セキュリティリスクを抑えて、安全にBYODを推進できる手法として注目されているのがMAMです。

次項より具体的に解説していきます。

BYODにより起こり得るセキュリティリスク

セキュリティが脆弱な状態でBYODを導入すると、情報漏洩やウイルス感染が起きる恐れがあります。

BYODによって想定される具体的なセキュリティリスクは、以下の通りです。

【想定されるセキュリティリスク】

  • 端末の紛失・盗難による情報漏洩
  • 企業に申請していない端末の使用による情報漏洩
  • 個人で使用するSNSからの情報漏洩
  • 内部不正による情報漏洩
  • 社外ネットワークからのウイルス感染

例えば、BYODとして企業に申請していない端末や、企業が認知していないクラウドサービスはセキュリティ対策が十分でないことが多く、情報漏洩が起きる可能性が高いです。

また、脆弱なセキュリティにより、仕事上のやり取りをしているSNSを第三者に乗っ取られた場合、ビジネス情報が盗まれるリスクも考えられるでしょう。

こうしたBYODのセキュリティリスクを防ぐために役立つのがMAMです。

MAMの4つの機能

MAMの機能は、以下の通りです。

【MAMの4つの機能】

  1. 業務用アプリ・データの一元管理
  2. 業務用アプリの配布とインストール
  3. アプリの利用制限
  4. 遠隔でのアプリ削除や端末ロック

それぞれの機能について詳しく解説します。

①業務用アプリ・データの一元管理

従業員がプライベートで使用している端末を業務でも活用する場合、プライベート用と業務用のアプリ・データが1つの端末に入ることになります。

プライベート用と業務用が混在することで、セキュリティが脆弱化したり、業務効率が落ちたりする可能性があるでしょう。

MAMは、端末内に構築した仮想環境内のアプリ・データのみを一元管理できるシステムです。

仮想環境から分断された領域にあるプライベート用のアプリ・データに干渉することはありません。

そのため、従業員のプライバシー保護と、業務用アプリ・データのセキュリティ強化を両立することが可能です。

また、業務用とプライベート用のアプリ・データを区分けすることで、業務効率が落ちるのを防げます。

②業務用アプリの配布とインストール

MAMは、特定の端末に対する業務用アプリの配布とインストールが可能です。

管理者から「新しいアプリをインストールしてください」「現在入っているアプリをアップデートしてください」と伝えても、従業員がすぐに対応するとは限りません。

従業員によっては、インストールや更新をしないまま端末を使い続け、セキュリティが脆弱化したり、業務効率が落ちたりする可能性もあるでしょう。

そこで、MAMを活用すれば、役職や所属部署などにグループを分けた上で、管理者からアプリの配布やインストールを行えます。

使わなくなったアプリの削除も可能です!

このように、MAMを導入することで一括でアプリの管理を行えることから、管理者や従業員の負担軽減につなげられるでしょう。

③アプリの利用制限

MAMには、端末やユーザーごとにアプリの利用を許可したり、禁止したりする機能が備わっています。

例えば、無制限にアプリの利用を許可している場合、ウイルス感染や情報漏洩が生じる可能性が高いです。

その点、MAMを活用して管理者がアプリのインストールを制限することで、セキュリティリスクを低減できます。

不正なデータ持ち出しや情報漏洩を防ぐために、アプリを起動した際のデータコピーや画面キャプチャの制限も可能です。

また、従業員が業務と関連のない不審なWebサイトにアクセスしてしまい、サイバー攻撃の標的になるケースも少なくありません。

MAMでWebサイトの閲覧制限をかけておけば、サイバー攻撃によって損害を被るのを防げます。

④遠隔でのアプリ削除や端末ロック

遠隔でアプリを削除したり端末をロックしたりする機能は、端末の紛失・盗難時に役立ちます。

スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末は持ち運びやすい一方、外出先で紛失や盗難が起きる可能性も否定できません。

端末を手に入れた第三者に企業の重要機密情報を不正利用されてしまうと、業績に損害が出るだけでなく、信頼の失墜にもつながります。

MAMの遠隔機能を活用すれば、紛失・盗難時も迅速にアプリ削除や端末ロックができるため、情報漏洩や不正利用のリスクを防げるでしょう。

また、従業員が退職した際も遠隔でアプリ・データの削除が可能です。

業務用のアプリ・データのみを削除し、プライベート用のアプリ・データはそのまま残せるため、従業員に迷惑をかけることなく処理を完了できます。

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MAMと混同しやすいMDM・MCMとの違い

MAMと似たような言葉として、MDM(Mobile Device Management)とMCM(Mobile Contents Management)があります。

MDMとMCMも、業務で使用する端末を一元管理できるシステムのため、何が違うかわからない方もいるでしょう。

ここでは、MDMとMCMがMAMと異なる点について解説します。

それぞれの特徴を理解するための参考にしてください。

MAMとMDMの違い

MAMはアプリ・データの一元管理に特化している一方で、MDMは端末本体の一元管理に焦点を当てているのが両者の違いです。

MAMは従業員がプライベート用の端末を使用する場合でも使われるのに対し、MDMは主に業務用の端末を企業が従業員へ貸し出す場合に用いられます。

つまり、MAMはBYODの環境で柔軟に端末を管理したい場合、MDMは端末本体を企業が厳密に管理したい場合に適していると言えるでしょう。

なお、MDMの機能は以下の通りです。

  • 位置情報の監視
  • 端末利用状況の管理
  • セキュリティアップデートの管理

上記の機能を活用することで、不正利用や私的利用による情報漏洩を防げます。

MAMとMCMの違い

MCMは、端末からアクセスする文章や動画などのコンテンツを管理するシステムです。

MAMはアプリ、MCMはコンテンツを対象としたセキュリティを提供している点が異なります。

MCMの管理対象となるコンテンツは、以下の通りです。

  • 文章
  • 音声
  • 動画
  • 画像 など

上記のコンテンツが不正利用されないように、端末ごとの機能制限やアクセス制限の設定が可能です。

また、コンテンツの閲覧や編集履歴の記録機能も搭載しています。

こうした機能を活用することでセキュリティが強化され、コンテンツの流出を防ぐのがMCMの目的です。

重要なコンテンツを保護し、安全に共有したい場合に役立ちます。

特に、アクセス制限が必要な機密情報コンテンツを扱うケースで使われることが多いです。

MAMを導入する3つのメリット

MAMを導入するメリットは、以下の通りです。

【MAMの3つのメリット】

  1. 情報漏洩を防止できる
  2. セキュリティレベルを統一できる
  3. シャドーITを防止できる

それぞれのメリットを確認し、MAMを活用しましょう。

①情報漏洩を防止できる

MAMは、さまざまな状況下での情報漏洩を防止できます。

例えば、端末を紛失したり、盗難に遭ったりした場合は遠隔操作によるアプリ削除や端末ロックが可能です。

端末を社外で使用する場合も、MAMを活用することで紛失・盗難によるリスクを抑えられます。

また、アプリ・データの不正利用による情報漏洩にも有効です。

通信やファイルを暗号化する機能を使えば、端末内のデータを不正に閲覧・改ざんされるのを防げます。

加えて、業務用データを従業員個人の端末に移動できないようにする機能も、情報漏洩の予防に役立つでしょう。

BYOD環境においては、プライベート用と業務用のアプリ・データを区別できるため、従業員がうっかり重要な情報を漏らすリスクを抑えられます。

②セキュリティレベルを統一できる

セキュリティレベルは従業員によって異なり、中には著しくセキュリティ意識に欠ける場合もあります。

特に、プライベート用の端末を使用するBYOD環境下では、均一的なセキュリティ管理が困難なケースも少なくありません。

MAMで一元管理を行えばセキュリティレベルを統一できるため、従業員の知見を問わず安全に業務用アプリ・データの活用が可能です。

例えば、業務と関連のないアプリのインストールを制限することで情報漏洩やウイルス感染を防げます。

セキュリティパッチの適用やアプリの更新も管理でき、最新のセキュリティ環境で安全に業務用アプリ・データを使るのも利点です。

このようなセキュリティレベルの統一により、企業全体のITリスクを抑えられるでしょう。

③シャドーITを防止できる

シャドーITとは、企業が許可していない・認識していない端末や外部サービスを利用することです。

企業の管理対象から外れた端末や外部サービスは、情報漏洩やウイルス感染などのリスクを増大させる原因になります。

シャドーITとして利用されやすいものは、以下の通りです。

  • 個人の端末
  • フリーメール
  • チャットツール
  • クラウドストレージ

例えば、チャットツールやクラウドストレージのアカウントが乗っ取られた場合、重要な業務データが盗まれる可能性があります。

そこで、MAMを導入すれば管理者によるアプリの利用制限が可能です。

また、業務に必要ないアプリのインストールを防ぐ機能もあり、シャドーITが生まれるのを防げます。

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MAMを導入する際の3つの注意点

MAMを導入する際の注意点は、以下の通りです。

【MAM導入時の3つの注意点】

  1. 誰でも使いやすいシステムを選ぶ
  2. 従業員の端末(OS)に対応しているシステムを選ぶ
  3. 導入後は運用ルールの策定と教育を行う

どのような点に気をつけるべきか確認した上で、MAMを活用しましょう。

①誰でも使いやすいシステムを選ぶ

MAMを選定する際は、誰もがスムーズに操作できるシステムであるか確認することが大切です。

使い勝手が悪いシステムは、業務効率を低下させる原因になります。

「システムが使いづらいから、MAMを介さないで業務用データを利用しよう」と考えた従業員によって、シャドーITが生じるケースも考えられるでしょう。

なお、使いやすいシステムのポイントは以下の通りです。

  • 画面が見やすい
  • 直感的に操作できる

複雑な画面構造や操作を採用しているシステムだと、従業員が使いこなせない可能性があります。

初めてシステムを利用する従業員でも、ハードルを感じることなく使えるものを導入しましょう。

従業員が気軽に活用できるシステムを導入すれば、シャドーITを予防でき、セキュリティの強化にもつながります。

②従業員の端末(OS)に対応しているシステムを選ぶ

パソコンはWindowsやMacOS、スマートフォンはAndroidやiOSといったように、端末(OS)の種類はさまざまです。

そのため、MAMを導入する際には、対応端末を意識する必要があります。

BYODの環境下で使用する場合、従業員が使用している端末に対応したシステムでなければ利用できません。

また、現在はBYODの導入が進んでいなくても、働き方の多様化により従業員個人の端末を使って業務を行ってもらう機会が今後増える可能性は十分にあるでしょう。

対応端末が少ないシステムだと、将来的にBYODで端末を使う従業員が増えた場合に対応しきれないリスクがあります。

端末を問わず、均一に業務用アプリ・データを管理できるシステムを選ぶのがおすすめです。

③導入後は運用ルールの策定と教育を行う

MAM導入後は、運用ルールを策定し、従業員に正しい使い方を周知する必要があります。

業務フローを覚えてもらうための研修期間を設け、MAMで「行えること」と「行えないこと」を明確にすることが大切です。

端末の取り扱いに関して従業員一人ひとりの知識や意識を高めることで、セキュリティ強化につながるでしょう。

ただし、従業員によっては端末やシステムの使い方を一度に覚えられない場合もあります。

後からサポートができるように、MAMに関する相談窓口を設置するのがおすすめです!

また、BYODでMAMを導入する場合は、従業員のプライバシーを尊重した運用ルールの策定が求められます。

業務以外で端末を使用する際のガイドラインを作り、従業員が納得した上でMAMを導入できるようにしてください。

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まとめ

テレワークなど、社外でモバイル端末を使用することが増えた昨今、セキュリティ対策は必要不可欠です。

MAMを導入すれば、BYODで従業員の端末を利用する際も情報漏洩や不正利用、ウイルス感染のリスクを抑えられます。

また、業務用アプリ・データを一元管理することで、セキュリティレベルを均一化できるのもMAMのメリットです。

しかし、MAMの扱い方が分からず、導入を躊躇するケースも少なくありません。

そのようなときは、セキュリティの相談ができる法人携帯代理店に問い合わせるのがおすすめです。

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