MDMとMAMの違いをわかりやすく解説!MCM・EMMとの違いや機能、導入メリット、注意点も紹介
2025.06.30
現代のビジネスにおいて、スマートフォンや携帯電話などのモバイル端末は、あらゆる場面で欠かせない存在となっています。
ただし、モバイル端末は情報漏洩やウイルス感染など、さまざまなリスクが潜んでいるため、万全のセキュリティ対策を講じなければなりません。
そのため、法人携帯をリスクから守りながら企業が一元管理できるシステムとして、MDMやMAMが話題となっています。
本記事では、MDMとMAMの機能やMCM・ECMとの違い、導入メリットや業界別の活用事例などについて解説していくので、ぜひ参考にしてください。
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目次
MDMとは
MDMとは、日本語で「モバイル端末管理」という意味である「Mobile Device Management」の頭文字をとった略語です。
テレワークの普及により、MDMは注目されています。
従業員に業務上利用するノートパソコンやタブレット、スマートフォンなどを貸与する場合、不正利用や私的利用による情報漏洩を防止しなければなりません。
そのため、企業側がすべてのデバイスのセキュリティを厳格に管理するために、以下のようなMDMの機能が活用されています。
- OSやセキュリティソフトなどの一元管理
- 利用状況や位置情報などの可視化
- 遠隔操作によるアクセス制御
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MAMとは
MAMとは「モバイルアプリケーション管理」を意味する「Mobile Application Management」の略語です。
モバイル端末では便利なアプリケーションが活用できる一方、情報漏洩や危険なアプリケーションのインストールなどの懸念があります。
そのため、以下のようなMAM機能により、企業がアプリケーションを一括管理することが重要です。
- アプリケーションの一斉配布
- 特定のデバイスでのアプリケーション利用制限
- 遠隔操作によるアプリケーション消去
なお、MAMは、個人所有のモバイル端末を利用する場合によく活用されます。
「BYOD(個人端末の業務利用)を推進したいが、セキュリティ面で懸念がある」といった場合には、MAMの導入が効果的であると言えるでしょう。
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MCMとは
MCMとは、日本語で「モバイルコンテンツ管理」という意味である「Mobile Contents Management」の頭文字をとった略語です。
業務上利用するモバイル端末では、文書や画像などの社内コンテンツにアクセスできるため、社外に不正流出してしまうリスクがあります。
そのため、以下のようなMCM機能で社内コンテンツを保護しなければなりません。
- コンテンツ単位のアクセス権限管理
- コンテンツ利用時の機能制限
- コンテンツ利用ログの記録
コンテンツは機密情報や知的財産などを含むため、メールやクラウドサービスで流出しない対策が求められます。
特に個人携帯を業務利用させている場合には、端末内に社内コンテンツを保存するため、流出する可能性が高いです。
そのような場合に、MCMはコンテンツの不正流出を防止する手段として活躍してくれるでしょう。
MDM・MAM・MCMの違いは?
MDM・MAM・MCMの違いは下表のとおりです。
項目 | MDM | MAM | MCM |
---|---|---|---|
対象 | モバイル端末 | モバイル端末内のアプリケーション | 社内コンテンツ |
管理するモバイル端末 | 会社貸与のみ | 個人所有 | 個人所有も含む |
目的 | モバイル端末の不正利用などによる情報漏洩 | アプリケーションによる情報漏洩 | 社内コンテンツの不正流出 |
MDMはモバイル端末自体を管理するのに対して、MAMはアプリケーション、MCMは社内コンテンツと管理対象が異なります。
また、MDMは会社貸与のモバイル端末に利用するのに対して、MAMやMCMでは個人所有も対象です。
会社貸与の端末を管理したい場合はMDM、業務利用している個人携帯のセキュリティ対策を行いたい場合は、用途に合わせてMAMやMCMを選択すると良いでしょう。
MDM・MAMと混同されがちな「EMM」との違いは?
EMMとは「エンタープライズモビリティ管理」を意味する「Enterprise Mobility Management」の略語です。
従業員が利用するモバイル端末を、企業がトータルで管理する仕組みとなっています。
EMMの主な機能は以下のとおりです。
- モバイル端末の一元管理やセキュリティ対策
- モバイル端末で利用するアプリケーション管理
- 各種コンテンツへのアクセス管理
EMMは、MDM・MAM・MCMの機能を統合した管理システムであり、単体のシステムに比べて強固なセキュリティ対策となる一方で、コストは高くなります。
予算や求める機能と相談しながら、自社に適切なシステムを選択してくださいね。
MDMやMAMなどのモバイルデバイス管理が注目されている背景
MDMやMAMなどのモバイルデバイス管理が注目されている背景には、以下が挙げられます。
ここからは、MDMやMAMが注目されている背景について詳しく解説していきます。
①BYODの普及
BYODの普及は、MDMやMAMが注目されるようになった背景の一つです。
BYOD(Bring Your Own Device)とは、個人で所有しているノートパソコンやスマートフォンなどを、業務内でも利用することを指します。
企業にとっては、スマホなどの端末を購入する必要がなく、導入コストを削減できる点がメリットです。
また、従業員にとっても使い慣れた端末を利用できるメリットがあります。
一方で、BYODでは同じ端末に業務データとプライベートデータが混在するため、情報漏洩リスクやプライバシー保護の問題が存在します。
その解決策として、万全のセキュリティ対策ができるMCMやMAMが注目されているのです。
②法人携帯の管理が煩雑化している
法人携帯の管理が煩雑化している点も、MDMやMAMが注目される背景です。
法人携帯の性能や機能は日々進化を遂げており、さまざま企業で業務効率化ツールとして導入されています。
一方で、法人携帯の台数が増えれば増えるほど、OSのアップデートや利用状況の把握など、管理の手間も増えてしまう点がデメリットです。
また、導入するアプリケーションなども多様化しており、アプリのアップデート、セキュリティチェックなどを行う必要もあります。
しかし、昨今の人手不足も相まって法人携帯の管理に投入できるリソースは限られているのが現状です。
そこで、MDMやMAMを導入することで、携帯端末やアプリを効率的に一元管理できます。
不足しがちなリソースを補える手段として、MDMやMAMは注目されているのです。
MDMやMAMを導入する3つのメリット
MDMやMAMの導入には、次のようなメリットがあります。
以下からは、3つのメリットについて解説するので、ぜひ参考にしてください。
①盗難や紛失時の情報漏洩防止
1つ目のメリットは、盗難や紛失時に情報漏洩を防止できる点です。
働き方の多様化が進み、職場以外でもモバイル端末で業務ができるようになったことで、盗難や紛失による情報漏洩リスクは高まっています。
そこで、MDMやMAMを導入することで、盗難や紛失が発生してしまった場合でも、速やかに機密情報を保護することが可能です。
遠隔操作によるモバイル端末の操作ロックや、アプリケーションの利用制限・消去ができるほか、データコピーに制限をかけることもできます。
機密情報を保護することで、企業の信頼が損なわれたり、損害金が発生するのを防いだりできるのも、大きなメリットと言えるでしょう。
②法人携帯の利用状況を把握できる
2つ目のメリットは、法人携帯の利用状況を把握できる点です。
法人携帯を私的利用する従業員がいると、情報漏洩などのリスク事象が発生しかねません。
MDMやMAMでは、法人携帯やアプリケーションの利用状況、GPSによる位置情報などを収集できるので、不正利用のモニタリングが可能です。
また、各種機能やアプリケーションの利用頻度をチェックすることで、コスト削減や業務改善につなげることもできます。
③端末設定やアプリを一元管理できる
3つ目のメリットは、端末設定やアプリを一元管理できる点です。
例えば、OSのアップデートをモバイル端末ごとに行う場合、利用者の負担が大きいことに加え、実施時期にずれが生じる可能性があります。
その点、MDMやMAMを導入すると、OSやアプリケーションのアップデートや各種設定、デバイスごとの利用制限なども一括で設定可能です。
全ての端末でセキュリティレベルを統一できるため、自社のセキュリティポリシーに則した運用が行えます。
MDMやMAMを導入する際の選び方と注意点
MDMやMAMを導入する際には、誰でも使いやすいシステムを選定することをおすすめします。
MDMやMAMの導入はセキュリティが向上する反面、操作しづらいシステムを導入してしまうと利便性や業務効率が低下し、従業員の不満が高まってしまうでしょう。
また、MDMやMAMを導入する際には、利用者教育も必要です。
従業員が適切にシステムを利用できるよう、ルールを策定するのはもちろん、不明点が出た際に質問できる窓口を設置しておくことをおすすめします。
加えて、導入するモバイル端末のOSに対応したシステムを選ぶことも重要です。
システムによっては、一部のOSしか作動しないものやスマートフォン限定のものも存在します。
特に、従業員のモバイル端末を利用するBYODを採用している場合には、なるべく対応範囲の広いシステムを導入しましょう!
【業界別】MDM・MAMの活用事例
モバイル端末による業務効率化の浸透により、MDMやMAMは以下のような業界を中心に幅広く活用されています。
自社で活用する余地がないか、ぜひ検討してください。
①販売業
販売業においては、商品管理や接客時の情報提供など、モバイル端末を活用した業務効率化が進んでいます。
店舗スタッフが使う端末には顧客情報や販売データなどが含まれるため、セキュリティ対策が不可欠です。
MDMやMAMを導入することで、端末の一括設定や利用制限ができるとともに、Wi-Fiの範囲を店内に限定することもできます。
また、端末に情報を保存しない設定にすることで、情報漏洩を防止することも可能です。
②飲食業
飲食業においては、効率的なオーダー対応や人手不足対策として、モバイル端末が活用されています。
ホールスタッフがスマートフォンやタブレットでオーダーを受けることで、スムーズに厨房へ連携することが可能です。
ただ、専用アプリの導入や新メニューのアップデートなど手間がかかるため、MDMやMAMの導入は欠かせません。
また、オーダー用の端末へ一括で利用制限をかけることで、ウイルス感染や不正利用を防止できます。
③医療現場
医療現場においては、電子カルテや患者情報の共有など、迅速さと正確さが求められる業務でモバイル端末が活躍しています。
医療現場のモバイル端末では、患者のプライバシーに関わるセンシティブな情報が扱われるため、高いセキュリティレベルが必要です。
MDMやMAMを導入することで、端末のネットワークを医療機関内に限定できるので、情報の外部持ち出しを防止できます。
また、アプリケーションを制限することで、私的利用やウイルス感染の防止も可能です。
④運送業
運送業においては、ドライバーへの指示伝達や配送状況の把握など、モバイル端末が欠かせない存在となっています。
ただ、ドライバーが私的利用する懸念があるとともに、運転中に操作することで交通事故を引き起こす可能性も否めません。
MDMやMAMは、通話先やWebサイトを制限できるので、業務以外で利用できないようにすることが可能です。
また、GPS機能で位置情報を確認することで、ドライバーの勤務情報も把握できます。
位置情報を把握することでサボりや事故の防止に繋げられるため、MDMやMAMの導入は必須と言えるでしょう。
⑤教育機関
教育機関においては、ICT教育の推進にともない、生徒一人ひとりにモバイル端末を貸与する取り組みが広がっています。
モバイル端末は、授業や課題の配信などに便利な反面、生徒の不正利用を監視するのが難しい点が課題です。
そこで、MDMやMAMを導入することで生徒全員の利用状況を一括管理できるため、生徒にとって有害なサイトやアプリケーションの利用が防止できます。
また、生徒全員の学習状況も把握できるので、先生の業務効率化が可能です。
MDM・MAM・MCM・EMMはどれを導入するべき?
ここまでMDM・MAM・MCM・EMMを紹介してきましたが「結局どれを導入したらいいの?」と悩まれる方も多いでしょう。
結論としては、まずMDMからの導入がおすすめです。
MDMは、モバイル端末の基本的な一元管理やセキュリティ対策が実現できるので、安全で効率的な運用の基盤を構築することができます。
また、MDMはMAMやMCMの機能を追加することもできるので、運用開始後に状況に応じて調整することも可能です。
なお、すべての機能を包含するEMMに比べて、MDMは低コストである点もメリットといえるでしょう。
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本記事を読んで、MDMの導入を検討したいと考えた方には、法人携帯ファーストがおすすめです。
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さらに、法人携帯ファーストでは、MDMの基本機能や拡張機能はもちろん、管理者画面構築や携帯電話本体設定まで対応している点もポイントです。
電話やオンラインでの説明も行っているので、一度相談してはいかがでしょうか。
まとめ
本記事では、MDMとMAMの機能やMCM・ECMとの違い、導入メリットや業界別の活用事例などについて解説しました。
自社のセキュリティ体制を整えたいと考えている方は、まずMDMを導入することをおすすめします。
MDMの導入メリットは、以下のとおりです。
モバイル端末はビジネスに必要不可欠な存在となっていますが、情報漏洩などのリスクが潜んでいるため、セキュリティ対策が求められます。
法人携帯をリスクから守りながら企業が一元管理できるシステムとして、まずはMDMを導入してみてくださいね。
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